シドニー・ラプソディ(狂詩曲)

偶然キングス・クロス(Kings Cross)で出会ったTenちゃん(実兄)達は、キンクロの近くの エリザベス・ベイ(Elizabeth Bay)に住んでいた。

割とこぎれいなワンルーム・フラットにTenちゃん、Birdさん、Masaruさん、Hiroshiさんのといった 面々が住み、Tsuyoshiという18歳の男の子が出入りをしていた。Tsuyoshiはオーストラリアで出会った唯一の 年下の日本人ワーホリ(Working Holiday Viza Holder)だった。

この狭いフラットに4人のゴツイ日本人男性が住んでいるのもなんか凄く感じたが、 もっと凄かったのが全員なんらかの武道の有段者だったという点だ。

Birdさんは柔道、 Hiroshiさんは少林寺拳法有段者で国体とかに出るほど、 Masaruさんは空手。 Tenちゃん、Masaruさんは自衛隊出身という事もあり銃剣道とか柔道、剣道とかの段も持っていた。 さらに出入りのメンズを入れると 僕が合せ2段、Tsuyoshiも空手家でシドニーでも子供たちにボランティアで空手を教えていた。 全員で合わせて何段か数えた事があるが、合せ20段を超えていた。

まあみんな武道家だけあって粗い、雑、男くさい、あっけらかんとしていて 毎日飲んで馬鹿っ話しばかりしていた。 …もしここに間違って強盗でも入ってこようもんなら…。 きっと強盗さんは悲惨な目にあっただろう。

▼1986年8月、シドニー・エリザベス・ベイ(Elizabeth Bay)。
1986, Elizabeth bay.

シドニーはオーストラリア最大の都市だけあって日本人の数も多く、ワーホリとなると18歳から25歳と限定 されるわけで世代が近い分仲良くなりやすい。

僕は年の近いTsuyoshiと急速にビリヤードに嵌まり込み、いつの間にかギリシャ人男性とシェアしていた グリーブ(Glebe)のフラットを出てTsuyoshiのバチュラー(一人暮らし用のフラットの事)に転がり込んでいた。

ここからTsuyoshiとエリザベス・ベイの4人とべったりつるみだし、 カラオケやバーにに行ったり、他のフラットのホームパーティに出かけたりして 大勢の日本人や韓国人、インド人、その他諸々に出会った。

毎日が24時間エンドレスのホームパーティで、誰かの住み家というよりゲストハウスというか、集会所みたいな感じで 仕事を終えて帰ってみたら新顔がいる、といった日々だった。

そのためかこのバチュラーで一人になった時の事は強く覚えている。 …なぜかは覚えてないが「望郷」みたいな気分になり、誰かが持ってきた日本の ミュージックテープを聞いて膝を抱えて泣いた。 もちろんそんなの束の間の事で1時間もしないうちに誰かが入ってきて笑いに代わる。

The Bachelor in Kings Cross.
▲左端がTenちゃん。その右がYmiさん、真ん中がTsuyoshi。右から2番目はコーリアン(韓国人)のイル。

The Bachelor in Kings Cross.
▲左端がBirdさん。
柔道家のBirdさんはシドニーのホテル・レストランで勤めだしたが、調理経験がなかったので いろいろと料理について相談してくれた。
また、見たわけではないがMasaさん曰く

「Birdさんは仕事に遅刻しそうって事でキンクロ走ってて道路に飛び出したもんだから車にはねられた。 数メートルぶっ飛んだんだけど受け身をとってそのまま走り出した。 車の運転手の方がショックを受けてた。」

という逸話の持ち主。 とんでもない話だけどBirdさんならありそうで… この話は何度聞いてもおかしかった。

The Bachelor in Kings Cross.
▲ブリスベンで一緒だったHisakoさんと再会。シドニーの日本人社会って狭いんだね~。 右から2番目がKobaさん。

The Bachelor in Kings Cross.
▲彼女たち2人は誰かが連れてきた。挟まれてる男性がHiroshiさん。

The Bachelor in Kings Cross.
▲左から2番目がMasaruさん。航空自衛隊生徒隊の3期上の先輩にあたりTenちゃんとパイロット・コースに 進んだ同期。3期上の先輩なので今まで顔は知らなかったが、僕はこの先輩の強引な勧誘で後に沖縄に 行く事になった。

The Bachelor in Kings Cross.
▲右から2番目がMisa。

The Bachelor in Kings Cross.
The Bachelor in Kings Cross.
▲MisaとMasa。この二人は年上だったのだが、なぜか「さん」付けをしなかったな…。

ざっと見てもこんな感じで昼夜問わず人が出入りしていた。

ビールはもっぱらトゥーイーズ(Tooheys)を飲んでいて、 ブリスベンで飲んでいたXXXX (フォーエックス)は あまり口にしなかった。

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【狂詩曲(ラプソディ)とは】

既成概念にとらわれず、 既成の楽曲を組み合わせたりアレンジしたりして自由奔放に即興で奏でる音楽。

シドニーでは予想外の事が起こったり、新しい事を覚えたり、 大都会ならではの刺激に満ちた生活だった。 アクシデントもたくさん起きたが、 まさに即興で対応をせざるおえなかった。

エリザベス・ベイ(Elizabeth Bay)の地図

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